セーラームーンの色々なんでもあれやこれ
製作期間約一ヶ月
セラムンばかりだった私が今まで20年かけて身につけた技術を結集させ、遂に完成しました カタリナ・クラエス(アニメ版) 超頑張った! 予算はもう、恐ろしくて考えたくない… 自分なりにこれ!という生地を買っては作り買い足しを繰り返し 最終的にいくらくらいいったのでしょう うーん、約8万くらいかしら10万いったかなあ 高い生地は手触りがよく、布の質感もよくわかるし シルエットも綺麗に出るという持論を貫いて 好き放題やった末路がこうなりました いや安くたっていい生地ありますよ!誤解なきよう! いつも手触り重視で買うと何故かその生地が高いだけなんです それはもはや私の性癖、逃げられない宿命 生地の解釈は当然人それぞれですが 今回私は積み上げてきた「好き」を結集させた一着というイメージで仕上げました 白いスカートもペチコートも、セレニティで愛用している二種類を使用 つまりとても柔らかく、透け感のある滑らかな生地なのですが カタリナちゃんのスカートはどちらかというとカッチリした固めのイメージなので なるべくふわっとさせないようにしなければと、作り始める前は思ってました ええ、作り始める前は 白スカートに使ったシルデューサテンは薄くて柔らかい手触りにとても上品な光沢がうっすらとあり サテンと名前は付いているけれど、どちらかというとシフォンに近い手触りです スカラップのペチコートはド派手な光沢のサテンオーガンジー これがもう、ドレープラインが絶品でして 動くとツヤッツヤの生地がめちゃくちゃ映えるんです! 静ではなく動で見て欲しい生地です だがしかし、表のスカートにしてしまうと光沢が目立ちすぎて カタリナのスカートかと言えばそこは解釈が違うんですよね そんな訳で光沢が自慢のサテンオーガンはペチコートに採用し 白スカートで全部を隠してしまうことにしました イエイ! 生地の魅力を殺してしまう暴挙に、こいつは正気の沙汰かしらと思いつつ でもクルッと回った時に中がキラキラしているのが見えるし スカートの裾からちら見えるスカラップはめちゃくちゃキラキラしててかわいい! 自己満足とチラ見えの萌えだけの為にこの生地を使いました そんな極上の生地をシルデューは6m サテンオーガンジーは13+7(追加)で結局20m スカートだけで計26mも生地を使ったんですよ見えますか見えませんよね もう、面白いくらいお金が消えていっていっそ面白かったよ! 普通の生地ならマル一個減らして作れるよ! そして見栄えはきっとほとんど変わらないんだよ知ってるよ! でもこの生地がいいんだよ!仕方ないなオマエは! そしてそして、青い生地も個人的に思い入れのある上質な質感の厚手生地カシドス この絶妙な青色が実はなかなかに見つからないんです 私の中でカタリナの青のイメージは正に「ムーンの青」 ムーンの戦士服(と芝公園中学の制服)も実は毎回、生地の色味に悩まされつつ探してます 青生地というとこれよりすこしあせている青か、紺色に近い濃い青かという感じで ムーンの鮮やかなのにしっかり濃い青みたいな絶妙な色味ってマジでナイ (ポリギャバ系は色味豊富だけど、衣装ぽくなるからできたらなるべく使いたくない) そんな時に見つけて一目ぼれしたのがこのカシドスの青でした 質感もとても上品な高級感があるのがとてもとてもお気に入りだったのですが 残念ながらもう既に廃盤となっており、今後に絶望しております このカタリナ衣装に使った生地が最後… 大切に保管しておいた我が家のストックを使って仕上げました だから生地ひとつ取っても、並大抵の覚悟では作っていなかったりする 何だろう、カタリナ衣装の話だったハズなのにいつの間にかムーンの話になってない? でもホント、そこが私の大切なポリシーでアイデンティティで、人生なんです そんな私の人生のセラムンで使っているお気に入りの生地を結集させて カタリナちゃんを作ってみたかったんです そんな歪んだ愛情わかりますかねどうだろう この萌えポイントと性癖、私しか理解できない私しか萌えられない そんな自己満足が形にできて幸せ! まるでムーンとセレニティに包まれているような幸福感 最高! そうだ大事なこと言い忘れてた! 白スカートにバッチリポケットも付いてるよ! 蛇さん入れて持ち歩かないと!ジオカタ好きとしてここは外せない!! 上着も見て!型紙4回も調整して頑張ったよ! 上着のポイントは、実は見えない部分にあります 着た時のラインを徹底的に綺麗に見せたくて、ボーンを6箇所仕込んであります これで形がカッチリするから動いても変なシワも出ないしシルエットも崩れない! 二次元を三次元で再現する時の隙をなるべく穴埋めできるよう 表面から見えない部分は地味にこだわっています ちなみに生地は白のカシドスです、スカートと同じ生地で合わせてます 地味に難しくて何回も型紙作り直して思案したのが袖の形 動くと思い通りのシルエットにならず、泣きながら夜中中かけてリテイクしました それでも最後は綺麗にふわっと広がってくれて良かった ここにも技として、無重力を表現する為に裾に薄いチュールを挟み込んでいたりします あまり硬いとシルエットも固くなるのでなるべく薄く、でも張りはあるので ふわふわとしたエアリー感はちゃんと残ってます ホント、どの生地ひとつ取ってもこだわり抜いた一着なので 機会があったら是非直接触っていただきたい!ついでに解説したい! 今年は10月にあるなろう系オンリーにも参加予定でして もしコスプレができるようならやりたいなあと思っています 普段のコミケなどではセラムンサークルがメインなのでなかなかお披露目もできず なろう系ではコスプレ解禁されているといいなあ! なんだか熱く語っていたら長文になってしまった…… だがしかし恐ろしいのはここから 製作過程を遡りつつの解説が始まります ついてこれる人は折り込んでつづきからどうぞ!おいでませー! まずはパーツの方から 私は布専門なので細かい造形は実は苦手でして こちらはいつも我が家の造形担当の旦那さんが手伝ってくれています 原型のデザインまでは私の仕事 あとはマル投げぽいぽーい 旦那さんは石膏型が得意なので原型は何でも石膏で作るのですが 今回は初めてライオンボードを使いました もはやコスプレボードが主流のこの時代に 今更初めてライオンボードを使いますというド初心者 いやホント、私造形苦手で作ってこなかったので うーうー 原寸からライオンボードを切り出して形を整え 熱を加えてバレッタの丸みを出していきます 表面加工は水溶きボンド 頑張って何度も塗り塗りしてスベスベにしていきます 同じくライオンボードで胸止めも作る 塗装は私の大好物ギルディングワックス 色を変えて重ね塗りし、陰影もつけていきます アニメ版なので少しデフォルメした感じのデザインにしました 首の飾りは石膏で原型を作り、シリコンで型どり 何個でも複製して作れるのでアニメ版と小説版で色味を変えて作れます イヤリング!つやっつや! 片面ずつ型どりしてくっつけたのですが、切れ目が見えなくて驚く… そうして完成したパーツたち バレッタは優雅さを見せるためにスワロをふた粒つけました 写真には映らずとも肉眼は綺麗 カタリナちゃんはパーツが多くて、全部揃えるのはなかなか大変でした (実はここにバングルがまだあったりする) ここからは衣装製作過程です まず手がけたのが白スカート セレニティよりは抑えたけど、それでもアニメの設定よりはヒラみが多め 早速私の性癖が前に出てきました 最初からかい! 薄くて柔らかい、絶妙な手触りです さわさわしたいさわさわ 続いてペチコート用のスカートも裁断してパパッと形を作る スカラップの裾を全部縫う気マンマンだったので裏表と同じ形で二つ作る まだ冒頭ですが容赦ない布量になってきましたよ 二枚を合わせたらスカラップをひたすら書いていきます そして同じ数だけ縫ってはひっくり返しを繰り返していく… ここはもうひたすら根気のターン 延々と続く終わらない作業に、後半は半泣き状態でがんばりました スカラップなんてヒートカッターで作っちゃえばいいじゃんよ!スカートも一枚で済むよ! そう言いたい気持ちはわかるよ!でもこのサテンオーガン、ツヤツヤなの表だけなんだよ! 裏側もツヤツヤにしないと気がすまないんだよ! 隙のある衣装は作りたくない、例えどうせ見えないスカートの中だとしても そんな根気が勝利したツヤツヤのスカラップペチコート これを華麗に白いスカートで全部隠します 情け容赦なく!馬鹿か! スカラップの裾がほんの少しだけ見えるように調整したので 何やらスカートの中に半端ない布量が詰まっている空気感は漂ってきます 是非下から覗いて欲しい!覗き歓迎!(こら そしてとうとう青いスカートの制作へ もうここら辺からは加速する情熱が止められなくて手も止まらなく 睡眠時間の確保が大変でした いやちゃんと寝ろ 体力大事 型紙制作に入る前にスタンド版の縮小カタリナちゃんをじっくり眺めてイメトレ そうなんです衣装を作る前に縮図のスタンドを作っておいたのです これをやっておくと全体のイメージがしやすくなる 満を持しての衣装製作 レッツ等身大! スカートの形をざざっと仕上げ ここはもう大胆にやっちゃいます 私は計算して作るタイプというよりは 感覚で全部やってしまう系なので、細かいことは気にしない そして絶対に後ろは振り向かない 毎度勢いしかないやつです そんな合間に生地の買い足しに行ったり ペチコートの生地量が絶対足りないと思ったので早々に7m追加 ついでに次に控えているメアリのドレス生地も買おうと思ったけど 全然予算が足りなかった… この期間、週末になると生地を買い足しに行っては何万もつぎ込んでしまい ホント一体総額いくらになったのか、考えるのが怖い ブルブルブル スカートと胸当て完成 金の縁どりは手縫いで仕上げました 縫い目を出したくないので ていうか私がバイアス縫うのが下手過ぎて、よれちゃうんですよね 足りない技術は時間で補う 素人の強み 上着の型紙も四回くらい作り直し 角の四角ラインがなかなか再現できなくて、形に地味に苦労しました ていうか私は型紙も布で作ってしっかり組み立てているんですけど 普通紙で作りますよね どこまでもイレギュラーな素人だ 角はしっかり出したくて、なるべく丁寧に仕上げました 縫い目は極力なくしたい 満足! そして頭悩ませて転がった袖の部分 上着に縫い付けると腕が上がらなくなって、数日途方に暮れてしまったのですが 昔カフェコムサで見た実物のネルミュ衣装の脇にマチが付いていたのをはたと思い出し 参考にしてつけてみたら見事お悩み解消!やった! このエタムンの衣装、一回目の展示は脇のマチ付いてなかったんですよ それが公演を経てセラストに展示してあった時には追加されていて 実際舞台で動いた時に可動部分を増やしたのかなあと推測していました もうホント、今までの私のセラムン人生を結集して作れて超楽しい! そんな最中、一緒にはめふら衣装を作っているあしゅかさんが 衣装合宿に来たので、制作途中のマリアちゃんと並べてキャッキャしたりしていました 主人公と悪役令嬢!並ぶとテンション上がる! そして大本命のジオルドさんとキースくんの生地も二人で買いに行く 二時間以上布屋さんでひたすら生地を比べて相談して厳選 私は女の子の衣装しか作ってこなかったので 男の子衣装はベテランのあしゅかさんにフルオーダーさせていただくことに 超久々のオーダー!待ってるだけで仕上がるってすごい! 人生の時間は限られているので全部を自分ひとりでするのは難しい 足りない部分は遠慮なく人に頼る ありがたやありがたや~ 制作も終盤 襟の型紙を作る 襟はすんなりできました 満足の形♪ そして衣装全体がひとまず仕上がり、組み立てて全体のバランスを確認 やはりスカートの布量が足りない 増量決定 この時点で出発前日 これからスカラップをもう一周始める……気なのか? ちょっと周りがよく見えてないですね 大丈夫ですかこの人 ええいっ後ろを向いている暇はない! ひたすら突き進み、縫うべし縫うべし 縫ってアイロンかけてもかけても終わらねえええ!えーん! 没頭して6時間、出発ギリギリまでやってました 修羅場なんて毎回こんなん ちなみに裾の長さ測ったら追加分だけで12mありました 同じ長さが既にスカートになってるので、合計24mのスカラップ よく挫けなかったなあ しみじみ そしてアフター うん、増やして良かった!頑張った! 正直もっと硬い布使っていればこんなに苦労しなかっただろうに!何やってるんだろ私! 徒労すぎて実は無駄な努力だったのかと最後少し落ち込んでしまったのですが 実際動いたらツヤツヤのヒラヒラがひたすら布量で攻めてきて 何というか、めちゃくちゃいつも通りのセレニティ感!セレニティじゃないけど! 嬉しくて撮影当日はひたすらくるくる回っておりました ひゃほー! まさかここまで長いコスプレ人生を歩んできて 今からセラムン以外に変身するとか驚きだし こんなに情熱をかけてセラムン以外の衣装を仕上げることになるとは思いませんでした ホント、人生何があるかわからない あ、でも私の人生はセラムンなのが根底なので どこまで行ってもはめふらが好きなセラムンの人なのは揺らぎません ここが崩れたら私は私でなくなってしまう さあさあ次はメアリちゃんを作ったら また再びカタリナ衣装(小説版)を作ります これを6月末までに仕上げつつ、間でスパムンの衣装の調整をしながら原稿の締切に立ち向かう ちょっと時間の計算できてる? 睡眠時間入れ忘れてるよね ちゃんと休みつつ、死ぬ気で頑張りたいです えいえいおー! |
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