セーラームーンの色々なんでもあれやこれ
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去年行って超勉強になった半・分解展に今年も行ってきました
去年はヴィクトリア朝のドレスで、時代ごとの流行を一気に見られましたが
今年はDEATHファッション展ということで、危険性のあるデザインや素材のドレスから、当時の安全性を振り返る展示でこれまた超超勉強になりました
(本当は去年あった下着の方も行きたかった!)

以下折りたたんでレポです。というか、自分用メモ








去年の展示のレポはこちら


※映っている人物の顔は、長谷川さん含めすべてぼかしてあります



今回のメイン サイドサドル用のドレス
女性の乗馬の、横乗りの時のドレスだそうです
19世紀末に、女性の安全性を考えて進化していったとのこと
女性が馬に跨るなんてNG、足首も絶対見せたらいけない
いかに優雅な姿勢で綺麗なスカートのラインを見せるか

いやカタリナちゃんがですね、馬に跨って乗る時どんな服を着たらいいのかなって
そこの興味から行ったんですけど
ちょっと想像斜め上まっすぐ進んでて目から鱗でした
まず跨いで乗るなと、そこからだった成程!

そのドレスの形がもはや謎過ぎる


何だろうこの謎のパターン
スカートの内側に右膝を入れる空間があり、ストッパーまでついている
つま先をストッパーに引っかけて優雅に乗りこなすようです スッゲー



完全に膝のポーズが決まっているデザイン
生地も分厚いウールのような素材で、形が一切崩れない
ヒラヒラなんてご法度、セレニティ御法度!そらそうだヒラヒラしたら危ないもんな
自転車にスカートで乗ったら危ないよなワカルー!


でもこの形は馬に乗っている時だけしか必要ない
降りたらもうじゃまでしかない膝部分の余白よ
それを、このスカートリフターで留めるのがカッコイイ
ちなみにこちらのドレスはスカートの後ろにもともとボタンが着いていて、そこに裾のフープを引っかけて持ち上げ、歩きやすくしたりするようです
他にも隠れた部分に機能性を考えた工夫が
馬に乗っている内に動けばスカートは回ってしまう
それを固定するのに、スカート後ろのウエストにボタンがあり
ジャケットの内側の引っかける部分とドッキングさせたりするとのこと

確か去年も飾ってあったこのサイドサドルのドレス
詳しいことがわからずスルーするしかなかったので、今回ゆっくり解説が聞けてとても良かったです


どんどん進化していくサイドサドルのドレス
こちらはエプロンモデルというらしく、ズボンとセットで腰に巻くタイプのスカート
馬に乗っている間は後ろの布いらなくない?
ていうわけで反対側を切ってエプロンのように腰に巻く
これでとても軽くなる 安全性高まる!
スナップボタンも活用していて(この時代特許を取ってあるスナップボタン)
事故が起きた時も簡単に取れる仕様だそうです

18604年にサイドサドルは危ないからやめようよと記した女性の日記。
そこから40年後くらいにようやく、女性も跨って乗ろうという流れで跨るスカートが生まれる


こちらがそのスカート
クロスサドルスカートです
ボタンを留める位置で、ズボンにもなるしスカートにもなる
何だこれすごい今でも使えるオシャレデザイン
今日はズボン、明日はスカート、気分で変えられるね!
ズボン側を紺色でウラヌス、裏返してスカートにしたらネプチューン
一人でウラネプごっこ、気分はカリスマ
え、作りたい誰か着ませんかね


こちら去年も展示してあった、ヒ素で染色した死のドレス
クリノリン時代のドレスで、長谷川さんが手に入れた時はリメイクしてあったけれど
一度解体して復元したとのこと
最高に狂ってるねとても素敵 ハラショー



1860年頃のドレス(1850年にはミシン導入してる)
スカートもほぼ切らず、四角のまま上だけダーツ
巾62cm×スカート10枚
リメイクが主流だった時代、ダーツもほぼ布を切らない布が生きている時代のドレス
(ダーツを切り刻むと布の死と仰っていたのが厨二病で最高オブ最高でした)


面白かったのが上身頃の解説
チェックの四角い柄の位置が左右でズレている
左右で布の天地をひっくり返している部分がある
これを分かりやすく色分けして、黒は引っくり返った部分だと解説している場面です
布を極力節約する心意気よ そしてデザインとしても素敵 


こちらも今回大きな見どころのうちの一つ
クリノリン時代のドレスを下から覗くことができる
こんなの初めてよスッゲー!
フープが複雑に仕込んであります 形状記憶ビクともしない


展示の仕方がとにかく異質
半分くらい裏返してトルソーに着せているんですけど どういうこと
(去年ちゃんと表の時に一度見ておいて良かったと思う現場よ)
こことか特に痺れた
腰部分に徹底したボーン
絶対ここは細く固定してやるぞ覚悟しろよがひしひし伝わってくるボーン(ウエスト寸法標準46cmの世界)


あとこれも興味深かった
遺髪で作ったアクセサリー
当時は死を身近で感じていた時代というのがよくわかる


アッこんなところにボタン発見! 堂々と真ん中から割って着脱ですね
しかもボタンもしっかり優雅


こちらも大変興味深く 長谷川さんに直接お話を伺った案件
これは狩猟舞踏会(ハントバル)の従者の燕尾服で
たくさんのボタンは仕える家の格式を表しているとのこと
どこが面白いって、ボタンの着け方です
燕尾服にピッタリとくっ付いていて、全くの隙がない
ボタン特有の後ろのでっぱりもなく、一体当時のボタンはどうやって着けているんだと疑問が
長谷川さん曰く、わざわざ布を貫いて縫い付けているとのこと


ここですね 
裏返したらわかる、ボタンの位置に手縫いで後付けした箇所
普通に縫うと重いボタンが下を向いてしまうからわざわざこんな着け方を
ってそれワカル!!戦士服のチョーカーの真ん中に星やハートのボタンを着けると下を向くので
私もわざわざ後ろの凸を千切ってくっつけてたよそれよそれ(一緒にしていいのか謎な共感
長谷川さんの拘りポイント、とてもオタクが分かるの嵐よ
オタクはどのジャンルでもベクトル向いてる方向が一緒なら共感しあえる生き物なのだと勝手に思っている(そして私は一方的に30年前のアニメのセル画のトレス線が色褪せていく話を始め、よくある突然語り出すオタクをやってくる)


当時の要所の細かさが本当にヤバい
この縫い目を覆う刺繡よ 細かすぎる!


広げないと見えない所にまで刺繍
凝り凝りの凝り性がやる技だよ最高だよ


シュミーズドレスの裏側展示
胸元だけ申し訳ない程度に隠しているけどあとはもう
セレニティのようなスケスケ具合ですわ
(日々セレニティがあのスケスケドレスで地上に降り立ったら
エンディミオンと四天王がどんな反応するのか妄想している酷いオタク)


思いの外、腕が上がる
アームホールが小さい?細い? ぴったりしたデザインだからとのこと
現代の既製品はサイズの融通が利くようにゆったりめのアームホールがふつう
ジャケットとか腕が上がりづらい印象だったけど成る程そういうことなのですね


こちら狩猟用のジャケットの裏側
このチェーンは何ぞやとこちらも話を伺う
チェーンはハンガーに引っかける時の物(布が重いからチェーン)
その横のリングは狩ったキツネのしっぽをここに引っかけて、捕ったどー!と見せる為のもの



そして現場で分厚い教科書を購入させていただきましたありがたや
サインまでいただいちゃったぜありがたや(名前はもはや本名よりも呼ばれているコスネーム
現地のみの特典で、当時の布を再現して作った端切れまでいただきましたよありがたやありがたや
こちらの紅い端切れ
一宮の工房で一から作ったとのことでして
途中のしゅくぼう?(字がわかりません)という工程がとてつもなく大変らしく
また工房さんがもう廃業したとのことでもう作れないとのことでした
分かる、昔の素晴らしい技術、引き継がれない とても分かる
今やポリエステルを少し混ぜればシワにならない丈夫な布ができるし
面倒な工程を挟む素材はどんどんなくなっていく
セラムン玩具の当時のメッキキラキラのおもちゃだって
当時メッキ加工が上手かった町の工場があったからできたこと
セーラーリンクも当時驚くべき技術だったのに今は引き継がれていない
今なら違う方法でもっと安価に手軽に色々できてしまう
貴重な技術は引き継がれない、どこも一緒
オタク話すこと話すテンションやってることみんな一緒最高
たまに昔の技術が廃れないように頑張るオタクが突然変異で生まれてくるあるある
ないものは作るそれがオタク
わかりみばかりで貴重な時間でしたありがとうございました長谷川さん

ちなみに作った生地はメーター3万くらいで売ってみたら
東京大学の医学部が全部買い取っていったとのことで
どこの世界にもニッチな需要はやはりある 何かもう感動しかない
私もただのセラムン狂いのファンですが、局所的な部分を煮詰めて突き詰めて
一生楽しんでいきたいです エイオー!

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プロフィール
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うさこ
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女性
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コスプレ
自己紹介:
しがないセラムンおたくです。
デマうさ狂いのほたるマニア
セラムン愛に人生掛けてます
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