セーラームーンの色々なんでもあれやこれ
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これは絶対行きたいでしょう!とわくわくして
先月、衣服標本家、長谷川彰良さんの半・分解展に行って参りました。

いやもう、全部がすごかった。。
当時のドレスが触りたい放題で、生地の質感やボーンの硬さまで味わえました
インプット三昧の一日であった めちゃくちゃ脳が活性化した!!

勿論有料のドレス変遷のレクチャーもバッチリ参加しました
何が嬉しかったって
長谷川さんの型紙の解説が、ちゃんと理解できている自分よ
洋裁など何も学んでいない、ひたすら趣味でセレニティを二十年以上作っていただけの素人なのになあと、勝手に一人感慨深く浸ってました。

色々勉強になったことを記しておかないと忘れてしまって勿体ないので
自分用メモを箇条書きで残しておきます


半分分解した見せ方がとても衝撃的でした すっげえ!


以下折りたたんでレポです。






※映っている人物の顔は、長谷川さん含めすべてぼかしてあります

時代
1830~1900年辺り
この時代のドレスは巨大袖に始まり、巨大袖に終わる


少し前の時代(1805)のシュミーズドレス ごくうすコットン
背幅は超小さく、ウエスト位置は上(セレニティ)スケスケ見え見え

それが奥の白いドレスなんですが
丁度上手く撮れなかった。。(おまえ

このような寸胴体系に見えるドレスへのカウンターとして
女性らしさを強調するようなデザインのドレスに時代が変遷されていく

ウエストを絞り、スカートを膨らませ
ジゴ(羊の脚)スリーブは少し下の位置、肘の辺りが一番膨らんでいる
これはウエスト付近に大きい袖を持ってきて、腰の細さをより見せる技である


ジゴ袖の上部分はプリーツ36本でたたみ、チェーンステッチ(手縫い)
肘付近はリボンで結んでふんわりした膨らみを見せている


展開した袖の型紙 むちゃくちゃでかい
1830年代の生地幅はシルクで45cm程(前時代ロココのエンパイア時代は50cm)
生地はとても貴重なので無駄遣いせず使うべし


縮小した型紙を45㎝の生地(同じく縮小)3枚の上に普通に置いてみる とても無駄


これをバイアスで置くと二枚でいける
しかもこうすると何が都合良いって
裁断する部分は生地の縦横方向なので伸びにくい(目から鱗)

スカートは普通に布をそのままの形で6.7枚使用
極力生地にハサミを入れない節約した作り方


上身頃は45cm以内で横で取る
ウエストの位置はまだちょい上の位置

一着の生地代は長谷川さんのざっとした算出で、当時価格で70万円位


1840年ドレス
袖が細くなり、ウエスト位置が下がる
インド産のプリント生地が流行る(ウールプリント)
柄があると汚れが目立たず 中流階級まで流行る


ペレリーヌ(ケープ)をしている ソフィアはこれくらいの時代?
実はこのドレスは最初は巨大袖のドレスだったのだが、そこからリメイクしているとのこと
袖は細く、ウエスト位置も生地を足して下ろす ケープも作る
その生地はどこから持ってきたかと言うと、それこそ巨大袖から(ケープなんて形そのまま)
リメイクは恥ずかしくない 生地を大事にし、極力ハサミを入れない時代だからこそできる技


1850-60年 クリノリン時代


クリノ(馬の毛)リン(麻)という言葉からも分かるように
スカートのパニエ素材としてこれらは使われている(右上のもの)
タテ糸→麻 ヨコ糸→馬の毛にすることにより
麻の柔らかさで畳んで座れるし、張りのある馬の毛でスカートの形状が保たれる
ちなみに雨に濡れると馬の毛は超臭いらしい

これ以降ボーンにクジラの髭を使用するようになり、
より張りのある形状が保たれるようになっていく

1850年はミシンが採用され、産業革命でデパートができる
ミシンで縫ってデパートでガンガン売る時代が来る


ウエストがめちゃくちゃ細い
縫い目が増える ダーツは前面に14本(今までは二本)
スカートはめっちゃ膨らませる 5.6.7枚と重ね履きする

縫い代はまだ切らない、ダーツ構造
(生地にハサミを極力入れないスタイルはクリノリンまで
ここから段々と切り刻まれた、パーツが増えた仕様のデザインに変わっていく)
ダーツをいっぱい作ってポケットにして、その全てにクジラの髭のボーンを入れてコルセット矯正
しかもそれらは全て前面だけで絞っている
その理由が背面にある

当時女性の背中は真っ平に作れと言われていた
スッと正した姿勢が良いと言う美意識があった。


その為に、後ろ身頃は一枚裁ちで作られている
エッどこが一枚なのパーツ三枚じゃん!
と思った私はとてもとても普通

これはファン・ボディスと呼ばれる扇形の縫い目で、敢えてこのようなデザインにし、
女性のウエストをより細く見せようとしている模様
デザインとしてそう見せているだけで、実はパーツは一枚と言うマジックよ


しかも敢えてチェックの柄をずらし、パーツぽく見えるようにしている
初見で「全然柄合わせてないな」とごく普通の感想で眺めていた私に
この解説は綺麗なカウンターでありました(ガゴォォォン


アームホールは肩より下 なで肩ライン
袖の目がめちゃくちゃ閉じてる
まあまあ太い袖でボンキュッボンを見せる

この時代の生地はシルクで60cm コットンはもっと広い
スカートは真四角で7枚 まだまだ単純
シルク8mを使用したとして、当時価格で生地代が大体32万


1870年 クリノレッド時代(バッスルとクリノリンの中間)
1850年代に合成染料が開発され発色の良いドレスが多かったところから
黒だったり落ち着いたトーンの色味人気が復活する
華やかなイメージにするのに、オーバースカートを着るようになる(裾はヒラヒラ)


スカートはお尻を膨らませる
スカートに機能性のある小さなポケットがあったりする
二枚目写真で見られる【パラソルポケット】と呼ばれるポケットには
実はパラソルを入れたと言う文献が残っていない(?)
センスを入れたりしていた模様

クリノリン時代のドレスからクノリレッドにリメイクはよくある
ダーツも切り、袖の位置も肩に近づいていく

1880-90 バッスルドレス(鹿鳴館スタイル)

ヴィクトリア朝の終わり頃
この当時シルクで巾は70-80cm そして安い
ダーツもバッサリ! 布は攻め攻めまで切り刻め! リメイクなんて一切できねえぜ!


ブルジョアが増えてきて、布は贅沢に使う傾向になっていく
無駄な部分がかなり多いが大胆にカット そして捨てる!


アームホールもまともになっきて、袖の目も開いてくる

1900-

ブルジョアが自由な発想で色々なデザインを取り入れた、斬新なドレスが増える
ジゴスリーブがまた流行ったりもするが、袖上部分の方が膨らんだデザインになる
スカートはそれなりにスマートに




ビジューも着いていたり


ジャパニーズスリットと言われている
日本の着物デザインを取り入れたドレスも

見聞が広がりました 
貴重な資料を見せていただきありがとございました

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